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ニュースリリース

「無人運航船プロジェクト」、陸上操船拠点が完成
スカパーJSATの衛星通信システムを搭載した本格航行実験を年度内に実施

2021年09月03日

 スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下スカパーJSAT)は、公益財団法人 日本財団(所在地:東京都港区、会長 笹川 陽平、以下日本財団)が実施する無人運航船プロジェクト MEGURI 2040における「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」※1(以下本プログラム)に参加しています。

 本プログラムの一環として、9月2日に幕張(千葉県)に開設した無人運航を陸上から支援する「陸上支援センター」とその実験風景が公開されました。これは日本財団が描く無人運航船が支える新時代の国内物流社会の実現を目標として実施する「無人運航船の未来創造~多様な専門家で描くグランド・デザイン~DFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)プロジェクト」の実証実験の一部であり、年明けにはシステムを船に搭載した洋上試験を予定しており、さらに今年度後半には世界有数の混雑で知られる東京湾の海路も含め、内航コンテナ船を用いた長距離航行を行います。

  • <図1「陸上支援センター」のブリッジ AIの支援などを受けて操船>
    DFFAS CONSORTIUM提供 / 無断複製・転用お断り

 本プログラムにおいて、スカパーJSATでは、衛星通信事業のプロフェッショナルとして培った技術・経験を活用し、帯域保証型※2の船舶搭載衛星通信システム(VSAT)を提供するとともに、衛星通信のデータ制御システムの開発に取り組んでいます。
 スカパーJSATの主な役割は以下の通りです。

  • <図2 実証実験における衛星通信の全体構成>

■目標:無人運航を実用化するために必要な情報速度の衛星通信回線を確立し、通信速度や通信量に応じて通信データを自動で制御することで、船陸間通信の更なる安定性の向上を図る。
■役割:
① 仕様の異なる帯域保証型のVSATを2式提供し、オペレーションセンターと同時に接続
② 送受信するデータを制御するSatellite Gate Wayシステムを接続
   1. パケット測定振り分け機能により、2式のVSATに適切にデータを割振ることで、通信を効率化
   2. 機器アラーム通知機能により、VSATの通信状況を船内サーバで常時監視(船内サーバからのアラーム情報に基づき設定変更)
   3. VSAT不具合発生時には、正常なVSATへ通信を迂回

  • <図3 Satellite Gate Wayの構成>

 本実証実験では、上記のシステムを自動化し、船舶上に搭載した複数の通信機器を組み合わせることにより、遅延、(低)速度、天候、船体での遮蔽による通信断等の欠点を補い、自動運転に欠かせないデータを安定的にオペレーションセンターと共有できることを確認します。今後さらに様々な団体及び企業とのオープンコラボレーションにより、よりコストを抑え、実用に供するシステムの開発を目指します。
 
 DFFASコンソーシアム※3では船はもちろん、多様な分野の専門家が集結し、世界の海路に通用するシステムの開発を目指して実証実験に向けて準備を進めています。持続可能な開発目標(SDGs)にも意識して取り組んでいます。

※1世界に先駆けて内航船における無人運航の実証試験を成功させることで、本分野の技術開発への更なる機運を醸成し、その結果日本の物流及び経済・社会基盤の変革を促進するべく、当該技術開発を支援するために創設した助成制度。
※2衛星通信の電波中継において他のサービスとは共用せず、本プログラム向けに占有して伝送するもの。
・2020年6月12日付け日本財団プレスリリース「世界初、無人運航船の実証実験を開始経済効果1兆円、国内の英知を結集し2025年までに無人運航船の実用化を目指す」
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2020/20200612-45056.html

日本財団 無人運航船プロジェクト MEGURI2040
https://youtu.be/c1ADollWDVc

MEGURI2040 ロゴマーク

※3DFFASコンソーシアム企業(順不同)
株式会社日本海洋科学(代表)、株式会社イコーズ、株式会社ウェザーニューズ、EIZO株式会社、日本電信電話株式会社、ジャパン・ハムワージ株式会社、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、東京計器株式会社、ナブテスコ株式会社、日本無線株式会社、BEMAC株式会社、株式会社三菱総合研究所、株式会社YDKテクノロジーズ、日本郵船株式会社、株式会社pluszero、古野電気株式会社、株式会社MTI、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ、本田重工業株式会社、日本海運株式会社、近海郵船株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、鈴与海運株式会社、三浦工業株式会社、株式会社 三和ドック、三井住友海上火災保険株式会社、日本シップヤード株式会社、株式会社サンフレム、スカパーJSAT株式会社

DEFFAS ロゴマーク
9月2日に公開されたDEFFASロゴマークには、参画企業同士がパートナーとして寄り添い、コンソーシアムとして一体感をもって未来のゴールポイントに向かう思いやその先進性を込めてイメージを表現しています。ロゴマークカラーにはSDGsの色を配色しています。

 
スカパーJSATグループの関連リリース
・2020年06月15日付「日本財団「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」参加決定
https://www.skyperfectjsat.space/news/detail/post_62.html

 

以上