「未知を、価値に。」通信

スカパーJSAT

NTTとともに宇宙時代のインフラを築く

民間人だけの宇宙旅行が始まるなど、宇宙を舞台にしたビジネスがますます身近になってきました。またエネルギーや環境・気候変動、防災など人類が抱える課題を解決するうえでも、宇宙空間の活用が重要な鍵を握るようになってきています。そんな未来の宇宙活用のためのインフラ構築を目指し、スカパーJSATとNTTが新たな挑戦を始めました。

NTTと業務提携契約を結び、新たな宇宙事業への挑戦を開始

深刻化する地球温暖化や多発する災害、そしてエネルギー問題。これら人類の存続に関わる課題を解決し、持続可能な社会を築くうえで今、大きな期待が集まっているのが宇宙空間です。宇宙にICTインフラ基盤を構築することで、宇宙で収集される膨大なデータを宇宙空間で処理し、地上のさまざまな課題の解決に役立てる。そんな壮大なプロジェクト実現のため、スカパーJSATとNTTがタッグを組みました。それが、両社が業務提携契約を結んでスタートさせた「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」プロジェクトです。

30年以上にわたり、30機以上の通信衛星を打ち上げてきた衛星運用のパイオニアであるスカパーJSATと、地上にグローバルな通信・ネットワークインフラをもち、宇宙を視野にいれた次世代ネットワーク・情報処理基盤「IOWN」(アイオン:Innovative Optical Wireless Network)構想を進めるNTT。それぞれの分野のトップランナーがタッグを組むことで、日本における宇宙事業が大きく進展すると期待されています。

地上のエネルギー消費を減らし、災害に備える「宇宙データセンター」

宇宙統合コンピューティング・ネットワークがめざす
世界観イメージ

「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」は、地上の災害などの影響を受けずに、宇宙空間で自立した超低消費電力、超高速通信、高セキュアなネットワークを実現します。

そのなかで予定する事業のひとつが「宇宙データセンター」です。インターネットやAIの普及で企業が膨大なデータを活用するようになった今、サーバーや通信設備を設置するデータセンターの需要が急激に増しています。日本のデータセンターの年間消費電力は、日本の都道府県の平均年間消費電力(約17,000百万kWh)にせまる勢いだといわれます。今後もデータセンターによる電力消費は増え続け、約7年後には東京都全体が1年に消費する量(約80,000百万kWh)に匹敵するとの試算もあります。今回構想する「宇宙データセンター」では、宇宙空間で発生しているデータ処理を、太陽光エネルギーを利用して宇宙空間で行うことで、より早く、地球環境に負荷をかけずに運用することが可能となります。また同時に、深刻化する地震や台風などの自然災害によってデータセンターが破壊され、事業継続が困難になるリスクも回避することができます。

さらに宇宙と地球を統合したセンシング基盤を提供する「宇宙センシング」は、スマートシティ等への活用や新しい宇宙エンタメコンテンツの創出などにも大きく貢献することが期待されています。Beyond5G /6Gといった将来の通信技術をみすえたコミュニケーション基盤である「宇宙RAN」(Radio Access Network)が実現すれば、大規模災害時に地上のデータセンターがダウンした状態でもHAPS(High Altitude Platform Station:高高度プラットフォーム)を通じて地上に大容量データを転送できるようになります。

このようにスカパーJSATとNTTが目指す「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」は、人類の活動を本格的に宇宙に拡大し、人類社会の持続可能な成長の鍵となるものなのです。

宇宙旅行中の写真を地球の家族と気軽にシェアできる時代に

今年、初の民間人宇宙旅行が成功し、大きな話題を呼びました。今後、宇宙旅行はどんどん身近になり、近い未来には多くの人が気軽に宇宙旅行を楽しめる時代がやってくることでしょう。そんな時代に、宇宙空間での暮らしを支えるのも、スカパーJSATとNTTが目指す宇宙インフラです。

現在、飛行機や豪華客船のなかでは、誰もが気軽にWi-Fiを使ってインターネットやSNSを利用しています。宇宙旅行時代にも、宇宙空間から人々が地上の家族や友達と連絡をとったり、写真を共有したりすることが当たり前になるかもしれません。そんな宇宙時代を支えるインフラを目指し、いままさにスカパーJSATとNTTは、新たな挑戦を始めたのです。

(2021年12月24日時点)