用語集

あ行

移動中の車両や船舶(せんぱく)、飛行機などが通信衛星を使って情報をやりとりすることをいいます。
現在、スカパー JSATの「OceanBB plus」「JSAT Marine」サービスを通じて、多くの船舶でもインターネットが利用されています。

各種人工衛星の運用、打ち上げロケットや国際宇宙ステーション(ISS)での日本実験棟(にほんじっけんとう)「きぼう」の管理・運用、宇宙科学・惑星探査(わくせいたんさ)の研究など、日本の宇宙開発利用を技術で支える研究開発機関

衛星を直接経由して音声やデータ通信を行う携帯電話で、一般的(いっぱんてき)な携帯電話の通信エリア外でも通話やメールが利用可能な通信サービスです。衛星を介(かい)しているため、砂漠(さばく)や山間部、海洋など通信インフラが整備されていない場所でも通信でき、地震(じしん)や津波(つなみ)などの災害発生時でも通信できることから、多くの自治体や企業(きぎょう)でも導入が進んでいます。
日本ではインマルサット、イリジウム、ワイドスター、スラーヤなどのサービスが利用できます。

コンステレーションとは星座(せいざ)の意味で、小型の低軌道衛星(ていきどうえいせい)が地球の周りをぐるぐる回りながらリレーのようにつながっていくことを「衛星コンステレーション」といいます。

低軌道衛星は地球より速く動いているので、たくさん配置することで、1つの衛星が上空を通り過ぎたら、バトンのように次の衛星に切りかえて、通信をとぎれさせないようにします。そうやって全地球をカバーする携帯電話(けいたいでんわ)やインターネットサービスを実現します。代表的なサービスを紹介(しょうかい)しましょう。
スペースXによる「Starlink(スターリンク)」は低軌道衛星約3,500機が打ち上げられており、一部サービスを開始しています。最終的には4万2,000機を予定しています。アマゾンによる「Project Kuiper(プロジェクト・カイパー)」は3,236機を予定しており、2023年より打ち上げ開始、2026年よりサービス開始予定です。そのほか、「OneWeb(ワンウェブ)」(600機以上予定)などが着々と実験や準備を進めています。(2022年10月末現在)

通信衛星を経由して地上から地上へと情報をやりとりする電気通信のことです。

か行

天体の観測や他の惑星(わくせい)を調べるための衛星。また国際宇宙ステーションなど、技術の開発にも使われています。

科学衛星 (小型高機能科学衛星「れいめい」)<写真提供:JAXA>

雲や空のようすを観測するための衛星。この観測結果が天気予報などに使われています。

気象衛星 (ひまわり8号)<気象庁ウェブサイトより>

衛星が地球のどの点の上空にあるかということを経度と緯度(いど)で示します。
静止衛星の場合、常に赤道上空に静止しているので緯度はすべて0度ですから「東経110度」というように経度だけで示されることが一般的(いっぱんてき)です。

解像度が高い光学センサを搭載(とうさい)している衛星のことです。カメラで写真をとるように、衛星に搭載された光学センサが地球をくまなく観測・撮影(さつえい)することができます。ただ、雲がかかっていたり、夜間は撮影できません。撮影画像はカラー。光学センサがどんどん進化しており、衛星から地上60cmの物体まで識別することが可能となっています。

ISSは、地上約400km上空に建設された巨大(きょだい)な有人施設(ゆうじんしせつ)で、1周約90分の速さで地球の周回軌道(しゅうかいきどう)を回りながら、宇宙環境(うちゅうかんきょう)での実験・研究、地球や天体の観測などを行なっています。プロジェクトには、アメリカ、ロシアをはじめ欧州(おうしゅう)(11カ国)、カナダ、日本の15カ国が参加しています。
ISSの建設は1998年11月から始まり、その後、構成パーツを約40回に分けて打ち上げ、ロボットアームの操作(そうさ)や宇宙飛行士(うちゅうひこうし)の船外活動などによって組み立てが行われ、2011年7月に完成しました。2000年11月2日から各国の宇宙飛行士3名が滞在(たいざい)を開始し、約6カ月ごとに交代し、2022年12月現在、若田光一(わかたこういち)さん(5回目の滞在)をふくむ7名体制で運用を行なっています。
日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用する実験モジュール「きぼう」はISSの中で最も大きな実験棟(じっけんとう)で、これまでに計7名の日本人宇宙飛行士が長期滞在し、未来の技術開発につながるさまざまな実験を行なっています。
ISSは今後2024年まで運⽤を継続(けいぞく)することが決まっています。

複数の国々にまたがって利用される通信衛星のことです。
国際通信衛星の代表に、「インテルサット社(Intelsat Ltd.)」が運用する通信衛星があげられます。

さ行

現在地をリアルタイムで特定する「全地球測位システム」のことを「GPS」と呼んでいます。
米国国防総省が保有する約30機のGPS衛星のうち複数のGPS衛星からの距離(きょり)を同時に計測して自分の位置を知ることができます。GPS と地図とを組み合わせたカーナビゲーションシステムや車両・船舶(せんぱく)などの位置を知るために利用されています。

車両にアンテナなどの送受信用の機材などを積んで、好きな場所で衛星通信を行うことができる設備のことです。 TV局のニュース素材の収集(しゅうしゅう)や非常時での回線接続などに利用されています。

周波数とは電波が 1 秒間に振動(しんどう)する回数をいいます。単位はヘルツ(Hz)で表されます。

常に日本の真上(天頂)に近い位置にあり、より正確な位置情報などの電波を発信することができる衛星のことです。「準」がつくのは、常に1機が真上にいるというわけではなく、3機の衛星が約8時間交代で日本上空(天頂付近)を滞留(たいりゅう)するようにするためです。3機の衛星は赤道上でそれぞれ120度ずつはなれた軌道(きどう)を周ることで、24時間常に天頂に衛星が存在(そんざい)するようになるのです。それによって、日本全国、どのような場所でも通信が可能になり、通信サービスや移動体への高品質なサービスが提供(ていきょう)できるほか、安定した衛星測位サービス(準天頂衛星システム)が受けられるようになります。
2010年9月11日に初号機となる準天頂衛星「みちびき」が打ち上げられ、この初号機の後継機(こうけいき)が2021年10月26日に打ち上げられています。2017年には、6月1日に2号機、8月19日に3号機(静止衛星)、10月10日に4号機が打ち上げられ、2018年11月から4機体制で、さまざまな社会実装(しゃかいじっそう)が行われています。 2023年度には、5号機、6号機、7号機の打ち上げが予定されており、2024年度には持続測位可能な7機体制での運用開始が予定されています。

直訳(ちょくやく)すると「宇宙ごみ」です。
衛星には寿命(じゅみょう)があり、小型衛星は2〜3年、大型衛星は10年〜15年で動かなくなってしまいますが、そういう役目が終わった衛星は、電力もなくなりフラフラ動き出して、不用な衛星=スペースデブリになってしまいます。そのほか、事故や故障(こしょう)によってこわれた衛星、打ち上げられたロケットの残がい、デブリ同士がぶつかってできた破片(はへん)、宇宙飛行士が落とした工具や手袋(てぶくろ)などなど、さまざまな種類の物体が宇宙のごみ(=スペースデブリ)となって、地球の周りを回っています。

スペースデブリ 2020年現在 <写真提供:九州大学、スカパーJSAT>

今、確認(かくにん)されているのは、10cm以上の物体で約3万6,500個、1cm以上で100万個とされています{欧州宇宙機関(おうしゅううちゅうきかん)2021年9月発表}。
このスペースデブリは秒速7キロ以上の猛(もう)スピード{ピストルの弾丸(だんがん)の10倍以上の速さ}で地球の周りを回っているので、衛星や国際宇宙ステーションなどに衝突(しょうとつ)することもあります。宇宙空間で起きる交通事故のようなものです。そうなると、設備の故障や宇宙飛行士の生命に危険(きけん)がおよぶことにもなります。
そこで、国際連合宇宙平和利用委員会(COPUOS(*))は2007年に「スペースデブリ低減のためのガイドライン」を作り、今、世界各国の宇宙機関が協力してスペースデブリを減らす努力をしています。
(*)COPUOS=Committee on the Peaceful Uses of Outer Spaceの略で、国際連合宇宙平和利用委員会のこと。「国際連合宇宙局(UNOOSA)」の中にある組織で、宇宙空間の平和利用に関する国際協力について話し合いをする機関です。1959年設立。本部はオーストリアのウィーンにあります。

通信・放送衛星の送信ビームの一種。衛星から見える地球のごく一部のみをカバーするように送信ビームをしぼったものです。

赤道上空約3万6,000km の静止軌道(せいしきどう)に打ち上げられている人工衛星のことです。
静止軌道(円軌道)上に地球の自転と同方向(東から西)、同周期(約24時間)で公転するように打ち上げられた衛星は、地上からはあたかも1点に静止しているように見えることから静止衛星とよばれています。しかし、実際に静止衛星は軌道上を毎秒約3kmの速度で周回しているため、衛星自体が静止しているわけではありません。

大気圏の区分のひとつで、対流圏と中間圏との間にある、地上から約10~50kmの大気層(たいきそう)のことです。下層の気温はほぼ一定で零下(れいか)約55度で、上層は高くなるほど気温が上がり、上限で零度程度となります。雲があって、雨がふったりする気象現象が起こるのは対流圏で、成層圏は雲もなくいつも晴れています。
また、成層圏にはオゾン層があります。太陽が地球にふり注ぐエネルギーのうち、紫外線(しがいせん)はわたしたちにとって有害です。成層圏にあるオゾン層は、地球のバリアのような役割(やくわり)をして、有害な紫外線を吸収(きゅうしゅう)してくれています。

地球上の位置を確認(かくにん)するための衛星です。地球の周りにある複数の衛星から発信された電波が、受信機に到達(とうたつ)するまでにかかった時間によって距離(きょり)を測ることができます。日本の準天頂衛星(じゅんてんちょうえいせい)(みちびき)、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国の北斗(ほくと)などが測位衛星です。

測位衛星 (準天頂衛星初号機「みちびき」)<写真提供:JAXA>

た行

地球の表面を層状(そうじょう)におおっている気体(大気)の層(地上から100kmくらいまで)のこと。この大気は4層構造からなっていて、下から「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」と名付けられています。各層の境界の高度は、およそ10km、50km、80kmで、気温変化によって分けられています。この大気圏の外側は一般(いっぱん)に宇宙とよばれています。

陸・海・大気圏(たいきけん))などのようすを観測するための衛星。
オゾン層(そう)の破壊(はかい)や地球温暖化(ちきゅうおんだんか)などの地球環境問題(ちきゅうかんきょうもんだい)を知るために大切な役割(やくわり)を果たしています。
また、ここ数年、小型の低軌道衛星(ていきどうえいせい)(地球表面からの高度約2,000km以下)によって、可視光(かしこう)や赤外線、マイクロ波などを使ったさまざまな観測(リモートセンシング)が可能となってきました。

地球観測衛星 (先進光学衛星「だいち(ALOS)」)<写真提供:JAXA>

通信衛星へ電波を送ったり、通信衛星から電波を受けたりする、地上に設置された衛星通信のための設備をいいます。小規模(しょうきぼ)なものから衛星管制センターなど大規模なものまですべて地球局といえます。
なお、低軌道衛星(ていきどうえいせい)の受信サービス設備の場合には地上局ともよびます。

通信で使うことを目的とする衛星。スカパーJSATの衛星はすべて通信衛星ですが、衛星放送「スカパー!」のように放送サービスにも使われています。

通信衛星 (JCSAT-110A)<写真提供:スカパーJSAT>

高度2,000km以下の地球周回軌道を周回する人工衛星ことです。
軌道が地表に近いことから、静止衛星と比較(ひかく)して軌道投入コストが低く、また地表観測では画像などの分解能が高くなるなどのメリットがあります。
近年では複数の衛星を連携(れんけい)させて運用する「衛星コンステレーション」で利用されることが多くなっています。

有線・無線その他の電磁的方式(でんじてきほうしき)により、データや音、または映像(えいぞう)などの通信サービスを行う会社のことです。

太陽・恒星(こうせい)・惑星(わくせい)・小惑星・衛星・彗星 (すいせい)・星団・星雲・銀河など、宇宙に存在(そんざい)する観測できる物体の総称(そうしょう)を天体といいます。流星は大気内の現象ですが、起源(きげん)が大気圏外(たいきけんがい)なので天体にふくめます。また地球も天文学的にみれば天体といえます。

無線電波を発生する機器同士で、電波がぶつかり、おたがいに影響(えいきょう)をあたえる現象のことです。
例えば、Wi-Fi とBluetoothは同じ周波数帯を使うため、両方の機器を同時に使用すると電波干渉が発生します。このように、同じ周波数の中に多くの無線が飛びこんでしまい、それぞれの無線がぶつかり合うことで速度の低下を招くことをいいます。

通信衛星に積んである電波の中継器(ちゅうけいき)のことです。
1本のトランスポンダを利用して6 〜10チャンネルの映像番組(えいぞうばんぐみ)を送信することができます。映像の圧縮方式(あっしゅくほうしき)や情報量によってチャンネル数は変わります。

遠隔操作(えんかくそうさ)や自動操縦(じどうそうじゅう)などにより無人飛行できる航空機のことです。小型の玩具(がんぐ)から大型の軍用機までさまざまな形態があります。
2021年6月11日に航空法が改正され、2023年以降(いこう)、飛行経路下への第三者の立入りを管理せずに操縦者から目のとどかない距離(きょり)までドローンを飛行させる「目視外(もくしがい)、補助者(ほじょしゃ)なし、立入管理なし」の飛行が可能となる見こみとなりました。これによって、ドローンを目視外まで飛ばす、物流・医療(いりょう)、インフラ・プラント点検等といった分野での利用が活発になると考えられます。

な行

は行

VSAT 局を制御(せいぎょ)する地球局のことです。このような地球局は「親局」ともよばれています。

放物面鏡の原理を応用したアンテナのことです。
通信衛星からの電波は光と同じように反射(はんしゃ)するという性質を持っています。その性質を利用して電波を放物面の焦点(しょうてん)(中心)の部分に集め受信します。また、送信するときはその逆で、焦点部分から放物面に電波をあてて通信衛星に電波を送ります。家庭の衛星放送用のアンテナや衛星管制センターなどのアンテナはすべてパラボラアンテナです。

「ブロードバンド」をそのまま訳(やく)すと「広い幅(はば)」という意味になりますが、ここでは高速で大容量の情報が送受信できる通信網(つうしんもう)のことをいいます。
幅が広いと高速通信が可能となるのは、道路に例えると、道幅の広い道路ほど多くの車が通過できることと同じ原理です。通信で速度といえば、「一定時間に多くのデータが送受信できる=通信速度が速い」というように、一定時間に送受信できるデータの量のことを指します。つまり、ブロードバンドを利用して高速のデータを送受信できるということは、容量が大きなデータも高速に送受信できるということです。

電波の振動方向(しんどうほうこう)には固有の「向き」があり、これを偏波といいます。

NHK-BS1やWOWOWでおなじみの放送専用(せんよう)の衛星。BSデジタル放送には放送衛星が使われています。

放送衛星 (BSAT-4a)<写真提供:スペースシステムズロラール社>

ま行

衛星本体には、小型ジェット(スラスター)が搭載(とうさい)されています。
このスラスターを噴射(ふんしゃ)させ、軌道位置(きどういち)や姿勢(しせい)を調整することをいいます。

や行

ら行

わ行

アルファベット

NHK-BS1やWOWOWでおなじみの放送専用(せんよう)の衛星。BSデジタル放送には放送衛星が使われています。

放送衛星 (BSAT-4a)<写真提供:スペースシステムズロラール社>

通信で使うことを目的とする衛星。スカパーJSATの衛星はすべて通信衛星ですが、衛星放送「スカパー!」のように放送サービスにも使われています。

通信衛星 (JCSAT-110A)<写真提供:スカパーJSAT>

地球上の位置を確認(かくにん)するための衛星です。地球の周りにある複数の衛星から発信された電波が、受信機に到達(とうたつ)するまでにかかった時間によって距離(きょり)を測ることができます。日本の準天頂衛星(じゅんてんちょうえいせい)(みちびき)、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国の北斗(ほくと)などが測位衛星です。

測位衛星 (準天頂衛星初号機「みちびき」)<写真提供:JAXA>

現在地をリアルタイムで特定する「全地球測位システム」のことを「GPS」と呼んでいます。
米国国防総省が保有する約30機のGPS衛星のうち複数のGPS衛星からの距離(きょり)を同時に計測して自分の位置を知ることができます。GPS と地図とを組み合わせたカーナビゲーションシステムや車両・船舶(せんぱく)などの位置を知るために利用されています。

HAPS(ハップス)は、「高高度基盤(こうこうどきばん)ステーション」を意味する英語High Altitude Platform Stationの略で、「空にうかぶ通信基地局」のことです。
通信基地局は、高い鉄塔(てっとう)や電波塔(でんぱとう)など、設置される位置が高ければ高いほど、カバーできる範囲(はんい)が広がります。ですが、鉄塔(てっとう)を高くしていくのは限界があります。そこで、基地局をのせた無人飛行機=HAPSが開発されました。

HAPS(Zephyr)<写真提供:エアバス社>

HAPSは約20km上空に位置し、1機で直径200kmをカバーできるので、日本全土を約40機でカバーできます。2023年ごろには、このHAPSを使った通信サービスが実現する予定です。
なお、20km上空は、雲よりも高く、常に太陽光を受けることができ(ソーラーパネルが使えます)、年間を通じて比較的(ひかくてき)風がおだやかな「成層圏(せいそうけん)」とよばれる層なので、HAPSには最適です。ちなみに、飛行機が飛んでいるのは約10km上空です。

HTSとはHigh Throughput Satelliteの略で、大容量伝送を可能とする高い情報処理能力を持つ静止衛星のことです。
これまでの静止衛星は、広いエリアを1つのビームでカバーするシングルビームでしたが、HTSは、せまい範囲(はんい)に集中して照射(しょうしゃ)するスポットビームをいくつも搭載(とうさい)したマルチビームの衛星です。現在、1つのHTSに約100ビームが搭載されていますが、次世代HTSでは1,000ビームが計画されています。ビームをしぼることで伝送容量が大きくなり、デジタル技術により、スポットビームそれぞれのエリアや周波数帯を柔軟(じゅうなん)に変更(へんこう)できるようになっています。このような新しい機能により、従来(じゅうらい)の衛星と比較(ひかく)した場合、HTSでは約10倍の通信容量の提供(ていきょう)が可能になります。

ISSは、地上約400km上空に建設された巨大(きょだい)な有人施設(ゆうじんしせつ)で、1周約90分の速さで地球の周回軌道(しゅうかいきどう)を回りながら、宇宙環境(うちゅうかんきょう)での実験・研究、地球や天体の観測などを行なっています。プロジェクトには、アメリカ、ロシアをはじめ欧州(おうしゅう)(11カ国)、カナダ、日本の15カ国が参加しています。
ISSの建設は1998年11月から始まり、その後、構成パーツを約40回に分けて打ち上げ、ロボットアームの操作(そうさ)や宇宙飛行士(うちゅうひこうし)の船外活動などによって組み立てが行われ、2011年7月に完成しました。2000年11月2日から各国の宇宙飛行士3名が滞在(たいざい)を開始し、約6カ月ごとに交代し、2022年12月現在、若田光一(わかたこういち)さん(5回目の滞在)をふくむ7名体制で運用を行なっています。
日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用する実験モジュール「きぼう」はISSの中で最も大きな実験棟(じっけんとう)で、これまでに計7名の日本人宇宙飛行士が長期滞在し、未来の技術開発につながるさまざまな実験を行なっています。
ISSは今後2024年まで運⽤を継続(けいぞく)することが決まっています。

各種人工衛星の運用、打ち上げロケットや国際宇宙ステーション(ISS)での日本実験棟(にほんじっけんとう)「きぼう」の管理・運用、宇宙科学・惑星探査(わくせいたんさ)の研究など、日本の宇宙開発利用を技術で支える研究開発機関

Kaバンドとは、17.3〜31GHzの周波数帯をいいます{一般的(いっぱんてき)にダウンリンク17.7〜21.2GHz、アップリンク27〜31GHzを使用}。高い周波数のため、地上であまり使われていないことから、地上波との混信が少ないという利点がありますが、減衰(げんすい)がはげしく天候に左右されやすいという弱点もあります。
Kuバンドとは、10.6〜15.7GHzの周波数帯をいいます(一般的にダウンリンク12.25〜12.75GHz、アップリンク14.0〜14.5GHzを使用)。主に衛星通信・衛星放送で使われています。地上波テレビやラジオ等の一般的な周波数よりも高いため、電波のこみ合いが少ないのが特長です。
Cバンドとは、3.4〜7.075GHzの周波数帯をいいます(一般的にダウンリンク3.4〜4.2GHz、アップリンク5.8〜6.7GHzを使用)。通信速度、到達範囲(とうたつはんい)、透過性(とうかせい)のバランスが良い周波数帯域(しゅうはすうたいいき)で、雨による減衰が小さいため、熱帯地域でも安定した通信を実現できます。
Sバンドとは、1.71〜2.7GHzの周波数帯をいいます。通信容量は少ないですが、雨による減衰が小さく、ワイドスターなど衛星携帯電話(えいせいけいたいでんわ)サービスで使われています。

高度2,000km以下の地球周回軌道を周回する人工衛星ことです。
軌道が地表に近いことから、静止衛星と比較(ひかく)して軌道投入コストが低く、また地表観測では画像などの分解能が高くなるなどのメリットがあります。
近年では複数の衛星を連携(れんけい)させて運用する「衛星コンステレーション」で利用されることが多くなっています。

別名 合成開口レーダー衛星。電磁波(でんじは)の一種であるマイクロ波を地表に向けて照射(しょうしゃ)し、はね返ってきた電波を受信・解析(かいせき)することで地表の状態を映像化(えいぞうか)します。マイクロ波は雲を透過(とうか)することができ、太陽光を必要としないため、夜間や悪天候であっても観測・撮影(さつえい)することができます。また、観測対象の材質や成分の識別が可能で、地上の細かな変化をとらえることができます。撮影画像はモノクロ。最近では、SAR衛星の小型化や低価格化が進み、AI(人工知能)の活用などによる画像解析技術の向上も進んでいます。

VSATは超小型地球局(ちょうこがたちきゅうきょく)ともよばれる双方向(そうほうこう)の衛星通信用送受信設備のことです。アンテナの直径は1m程度ですが、年々小型化が進み、最新モデルは50cm程度、総重量8kgとなっています。小型・軽量・取りあつかいが簡易(かんい)であることから、車両が入れない場所からの中継(ちゅうけい)や、被災地(ひさいち)での通信手段(つうしんじゅだん)として活用されています。