スカパーJSAT株式会社では、スタートアップ支援プログラム(以下、SUP)を実施しています。
社内審査を通過した新事業アイディアに対して、事業化準備に必要な人財、資金、ノウハウなどを支援するもので、スカパーJSAT株式会社の社員であれば誰でも応募可能です。社員が既存の業務にとらわれず自由な発想で新事業を企画することにより、新たな市場の開拓、競争力の強化、企業の価値創造を目的としています。
SUPが求める案件像は、「グループミッションおよびサステナビリティ方針である”Space for your Smile” に沿い、社会に新しい価値を提供するもの」「当社グループの魅力を発信し、新たな繋がりをもたらすもの」「当社グループの事業資産や顧客等を生かし、他社にない競争力を生み出すもの」としています。応募されたビジネスプランは、社内審査を経て採択されたのち、応募者自らがプロジェクトリーダーとなり、事業立ち上げに向けた活動を行っていきます。
応募後、まずは書類審査、プレゼンテーション審査を受け、通過したビジネスプランについてはFeasibility Study(事業化に向けた検証)を実施します。短いサイクルで事業化へ進めることを念頭に、顧客課題解決(顧客の存在)に関する仮説の検証、市場性に関する仮説の検証、事業性に関する仮説の検証、といった3つの検証ポイントから行います。ここでの必要な資金、人員等は、社員が柔軟にFeasibility Studyに取り組めるようすべて会社より支援を行っており、そのほか応募者に寄り添った形でのFS計画の精査およびFSの検証事項の実施、メンタリング等も実施しています。最後に、Feasibility Studyにてビジネスプランが顧客課題解決、市場性、事業性において問題がないと判断された場合、いよいよ事業として展開を進めていくことになります。
なお、社員の新規事業提案の支援として、学習ツール、メンタリング、社内外との共創構築なども行っています。たとえば学習ツールとしてNews Picks Learning(e-learning)を利用して「新規事業開発の方法」や「デザイン思考」といった講座を自由に受講できたり、社員が思いついたアイディアを気軽に社内へ共有したり、仲間集めや外部パートナーの紹介、知見の収集などができるよう、「アイディアのたね」と呼んでいる社内ポータルにて交流の場を設けていたりします。
SUPが2018年にスタートして以降、社員からたくさんの応募があり13件が採択されています。その中から、プロジェクト化された案件を2つ紹介します。
宇宙のSDGs 持続可能な宇宙環境の維持をめざして
1つ目は、デブリ除去プロジェクトです。宇宙をビジネスフィールドとする企業として、宇宙環境も当社グループの取り組むべき環境問題の1つであると考えています。「スペースデブリ削減への取り組み」をマテリアリティに特定し、取り組みを進めています。現在は、宇宙事業部門宇宙システム技術部にて、事業開発と技術開発が進められ、世界で初となるスペースデブリをレーザーで除去する衛星の設計、開発を行っています。
<参考>
地域課題の解決やスポーツビジネスの付加価値創造
2つ目は、アリーナ・スタジアム ビジネス プロジェクトです。現在は、スカパーJSAT株式会社を含めた計6社で設立した、Sol Levante Sports株式会社として、事業が展開されています。
今後、全国のスタジアム等施設運営会社様へのスポーツ以外のイベント誘致、その映像化等による収益化への総合サポートや、地方自治体への新施設開設へのコンサルティングなど、様々な課題解決、価値創造に向けたソリューションサービスを目指しています。スポーツ・エンターテインメント業界の抱える課題への取り組みを推進する会社として、今後も展開が期待されています。
<参考>
Sol Levante Sports株式会社 (sol-levante.co.jp)
この他にも、これまで多くの応募、ビジネスプランがありました。現在も有志で社員がビジネスプランに磨きをかけたり、応募に向けて活動したりしています。今後の社員のチャレンジにもぜひご期待ください。役職関係なく社員が主体的にビジネスアイディアを提起し、事業化を目指すことができるSUPは、今後も継続をしていき、当社グループの価値創造につながるよう努めていきます。
(2023年9月29日時点)