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未来を変えるイノベーション

「それぞれの未来ストーリー」 Vol. 7
Universal NTN編

NTN事業部が目指す未来

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「それぞれの未来ストーリー」は、Space for your Smileな未来に繋がる取り組みについて、当社グループの社員にインタビューするシリーズです。

日本でも地上基地局の通信エリアには限界があり、山間部や過疎地などではデータ通信ができないエリアが残っています。スカパーJSAT株式会社では“いつでも、どこでも、あらゆる要求に応える” ために、30年以上にわたり培ってきた宇宙・衛星事業の経験の幅を大きく広げ、非地上系ネットワーク(Universal NTN)の構築を目指しています。

Universal NTNを中心に、どのように環境や社会課題の解決に寄与しているのか、メンバーのお二人にお話を伺いました。

―――今回インタビューしたメンバー

左から木代さん、小川さん

スカパーJSAT株式会社
宇宙事業部門 新領域事業本部 NTN事業部
木代 正憲さん
スカパーJSAT株式会社
宇宙事業部門 新領域事業本部 NTN事業部
小川 宗晃さん

NTN事業部が将来目指す姿や2030年に向けた事業的な取組みについて

―――当社は2030年のありたい姿として、「すべての空間を対象とした革新的な通信ネットワークを構築し、超スマート社会の実現に寄与する」と定めています。NTN事業ではどのようなことに取り組まれていますか。

小川さん:当社では“いつでも、どこでも、あらゆる要求に応える”をビジョンとした「Universal NTN」の開発に取り組んでおります。「ユニバーサルって何?」「そもそもNTNもよくわからない」と周りからもよく言われます。NTNは“Non terrestrial Network”、日本語では非地上系ネットワークです。我々は宇宙でネットワークをやっているので、今までもNTNをやっていたとも言えます。Universal NTNは、それが更に進化していくイメージです。


―――“ユニバーサル”や、“いつでもどこでも”にはどういう意味があるのでしょうか。

小川さん:2030年に向けて色んなお客様が増えて、活用事例もアプリケーションも多様化していきます。その要求に応えるために今まで当社が特定的に取り組んできたことの幅を大きく広げて、あらゆるものを交換するプラットフォーム的な意味で“ユニバーサル”に、そしてお客様目線に立って“いつでも、どこでも、あらゆる要求に応える” ことだと私は解釈しています。ちなみにこのUniversal NTNは、当社独自のコンセプトになります。

―――当社独自のコンセプトなのですね。具体的な取り組みについてもう少し教えてください。

小川さん:はい。我々が構想していることをすべて実現しようとすると、当社の持つGEO(静止軌道衛星)だけでは十分ではなく、マルチレイヤー化といってGEOだけではなくnon-GEO (非静止軌道衛星)やHAPS(高高度プラットフォーム)も入れることが必要だと考えています。


小川さん:ただ、連携もなくそれぞれが単独に動いていては、柔軟性を持ち各アプリケーションごとに最適化したNTNインフラにはなりません。GEOだけではなく、non-GEOやHAPSといったいろいろなレイヤーに通信インフラを保有したとき、それぞれを連動させて効果的に活かすための仕組みが必要となるため、その検討も進めています。

こういったことをするために、様々な技術要素に対する投資、R&D、M&Aやアライアンスが必要になります。将来のあるべき姿を当社でしっかりとリードできるようにしています。

2023年10月25日に英国で開催されたカンファレンスで講演する小川さん


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サービスを提供することで、どのような社会課題を解決し、困っている人を助けたいと考えているか

―――将来的にサービスを提供することで、どのような社会課題を解決し、困っている人を助けたいと考えていますか。

木代さん: 今後、衛星通信も携帯と同じ5Gの通信規格になっていくという観点での課題解決が挙げられます。地上(携帯)と衛星の通信規格が同じになると、1つの端末で通信が可能となることから、使っている人は自分のいるところが地上通信の空白地帯か否かを意識することなく、通信がつながった状態でどこでも移動できることが強みであると考えています。NTNが実現することにより、どんな場所でも、また災害が起きて地上通信が切れたとしても、携帯を持っていれば通信が使える可能性が出てくるんです。

通信の格差をなくしたいという目標があり、特につながらないと問題となる場所において、より優れたインフラを使って格差を解消したいと考えています。また、この新しい技術が実現することにより、他社の新たなサービス開発のきっかけになったらと思います。僕たちだけだと、自分たちの空間だけしか見えません。他の事業者とともにみんなで共創していけたらと思います。

新たなチャレンジ、取組み、やってみたいと考えていることについて

―――新たなチャレンジ取り組みとなること、やってみたいと考えていることがあればお願いします。

小川さん:これは始めていて、「NTNオープンイノベーション活動」を今年の4月から立ち上げました。
NTNが活用されるエコシステムをつくっていくためにも、様々な企業との連携が必要です。これまでのお取引きした企業に限らず、例えばモバイルやソフトウェアの企業などとも手を組み、将来の「Universal NTN」を実現していかなくてはいけないと思っています。その一連の活動を「NTNオープンイノベーション活動」という名前をつけて行っています。

―――現在はどのような段階なのでしょうか。

小川さん:今は他社と情報交換をして活動の中でディスカッションし、それを具体化するフェーズにきています。オープンイノベーションや外部とのコラボレーションは非常に大事だと思っています。NTNを一緒にもりあげていきたいです!

―――木代さんはいかがですか。

木代さん:衛星の用途はバックアップとか災害が多いですが、もっと身近な衛星の使い方ができないかを考えています。携帯のように身近に衛星が使えないか、会社も好きだし、衛星も好きなので、NTNの中で実現したいです。

(インタビュー日:2023年10月2日)

Universal NTNは、広域・大容量・低遅延・安全高信頼・低消費電力といったあらゆるニーズに対応するため、非地上系ネットワークを目指しています。今後、オープンイノベーションや外部コラボレーションに取り組み、通信エリアの格差解消に向けて他社企業と連携を進めてまいります。

お問い合わせ先
スカパーJSAT株式会社 宇宙事業部門 新領域事業本部 NTN事業部

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