2024年6、7月に鹿児島県立楠隼中高一貫教育校(以下、楠隼高校)で実施された特別講義「シリーズ宇宙学」にて、スカパーJSAT株式会社(以下、当社)は講義を行いました。
楠隼高校では、宇宙ビジネスに携わる技術者や研究者等による講義を通じて、生徒が宇宙ビジネスへの理解を深めるとともに、自らテーマを設定し探究活動に取り組むことで、広い視野や好奇心、冒険・探究心、ものづくりの心を育むことを目指しているそうです。
特別講義「シリーズ宇宙学」もその一環であり、全5回開催のうち第3回に当社は講義を行いました。
特別講義「衛星データ利用によるソリューション事業の挑戦」
講義は「衛星データ利用によるソリューション事業の挑戦」をテーマに行いました。
講義前半は、当社の概要や宇宙業界の現状、低軌道衛星や小型合成開口レーダー衛星(以下、SAR衛星)の仕組みについて説明しました。
後半は、衛星データ活用について事例を交えて解説しました。
たとえば、同じ九州で起きた2016年の地下鉄工事中の道路が陥没した博多駅周辺陥没事故はSAR衛星画像の解析データにより予兆を観測できていたことや、SAR衛星を使ったオイル漏れ検知サービスをカタール政府に提供している事例などを紹介しました。後日共有いただいたコメントペーパーでも多くの生徒が、博多駅周辺陥没事故とSAR衛星によるオイル漏れ検知サービスのことを書いており、講義の中でも印象的なことだったようです。
講義後の質疑応答では「観測衛星はどこを見ても違反にならないのか」といった宇宙法についてや、太陽フレアによる衛星への影響について、さらには、大学進学についてなど、幅広い質問が平田さんに寄せられました。
講師コメント(スカパーJSAT株式会社 宇宙事業部門新領域事業本部スペースインテリジェンス事業部*平田大輔さん)
これまでも社外向けに講義を実施した経験はありましたが、高校生向けの授業は初めてでした。高校生にも理解してもらえるように工夫を凝らしつつ、あえてレベルは落とさず大学の授業で使われるような資料を使って説明しました。準備の際には、衛星データそのものや、当社が社会に提供する価値について改めて考える機会にもなりました。
授業後の質疑応答では、当社の事業や衛星データに限らず、進学やキャリアに関する質問もあり、高校生の皆さんと活発に意見を交換することができました。お互いの疑問や想いをぶつけ合う大変エキサイティングで有意義な時間となりました。まさに“Learning by Teaching.”、半学半教でした。
当社では、将来世代の人財の育成として教育支援活動に取り組んでいます。今後も宇宙や衛星とその活用について学びの機会を提供していきたいと考えております。
*所属は講義実施時のもの