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ニュースリリース

国立研究開発法人情報通信研究機構
「Beyond 5G研究開発促進事業」の新規委託研究にNTNノードのネットワーク化技術開発とカバレッジ拡張
ユースケースのシステム開発・実証」の提案課題が採択

2022年01月24日

スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下「NICT」)より公募されていた「Beyond 5G研究開発促進事業」の新規委託研究に日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純)、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井伊 基之)、パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役 社長執行役員:楠見 雄規)と4社共同で応募し、提案課題「NTNノードのネットワーク化技術開発とカバレッジ拡張ユースケースのシステム開発・実証」(以下「本研究開発」)が採択されました。2021年10月22日付でNICTと委託契約を締結して本研究開発を開始しました。

1.本研究開発の概要
本研究開発は、NICTが公募した Beyond 5G(以下「B5G」)の「超カバレッジ拡張」※1実現に向けた非地上系ネットワーク(以下、「NTN」:Non-Terrestrial Network)に係る研究開発」を行うものです。B5Gは、各国で導入が進みつつある第5世代移動通信システム(5G)以降の世代の通信規格として、2030年代の導入が見込まれており、5Gの性能をさらに高度化させ、NTNによる上空・海上・宇宙へのユースケースに応じたサービスカバレッジの拡張が特に期待されています。

本研究開発では、静止衛星、低軌道衛星及び成層圏プラットフォーム(以下、「HAPS※2」)などNTNのタイプに応じて個別ノード※3毎に地上網と接続されていたものを、Ku/Ka帯に加えてQ/V帯※4の高い周波数帯、さらに光通信を利用してNTNのノード間を相互接続することで、多層的なネットワークを構築して、地上網と統合する技術開発を行います。また、地上網と統合されたNTNリソースをユースケースの通信要件に対応して適切に確保・利用するため、状況に応じて迂回させるようなネットワーク制御技術を開発して、B5G網全体の最適化を自律的に行えるような情報通信基盤の確立を目指します。

これにより、陸・海・空問わず広域に渡って柔軟且つ強靭なネットワークが実現され、例えば交通、物流など安全性が求められる無人・ロボティクスの自動/遠隔制御システムへの基盤となる事も期待されます。併せて、典型的なカバレッジ拡張のユースケースの開発実証を行い、適用可能性を追求するものです。

本研究開発成果であるNTNによる「超カバレッジ拡張」は、災害対策はもとより、海上、上空、宇宙等を利用するネットワーク構築のフレキシビリティー向上(時間・場所の制約軽減)によって、B5G時代における多様な産業向けユースケースとして利活用されることが期待されるため、4社共同で本研究開発の成果の最大化に努めてまいります。


<本研究開発の全体概要図>

2.参考
NICTによる発表内容は、以下のURLよりご参照ください。
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_01501.html

※1 超カバレッジ拡張:従来の移動体無線通信システムでカバーできていなかった、宇宙から海洋まで全空間の通信エリア化を目指します。また、高度情報基盤を整備することで、人口減少・ローカル地域における経済発展にも寄与します。

※2 HAPS: High-Altitude Platform Stationの略称。地上20kmの成層圏を数日〜数ヶ月の長期間に渡って無着陸で飛行できる無人飛行体を指します。機体には中継器等を搭載し、周囲半径50km程度のエリア化が可能となり(機体設計により変動)、従来エリア化が困難であった空、海上をはじめ、採算性の観点からエリア化されていなかった過疎・中山間地域等も対象とすることが検討されています。

※3 ノード:ネットワークにおける接点を指します。分散システムの場合はシステム全体の構成要素となる独立した処理機能を持つコンピュータなどをノードと表現します。

※4 S、Ku、Ka、Q、V帯: 衛星周波数帯の分類であり、主に以下の周波数のことを指します。一般的に周波数が高くなると、大容量通信が可能となりますが、雨や大気による減衰の影響は大きくなります。
・S帯:主に2-4GHz帯、Ku/Ka帯:主に12-30GHz帯、Q/V帯:主に40-75GHz帯の周波数帯

※5 5Gコア:5Gコアネットワーク。第5世代のモバイルネットワークを収容・制御するシステムを指します。

※6 MEC:Multi-Access Edge Computingの略称。サーバーをネットワーク上に分散配置することで、クラウドへのアクセスで発生する遅延と大容量通信を低減し、レスポンス向上を目指すネットワークコンピューティング技法です。

以上