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ニュースリリース

世界初!衛星画像による高頻度船舶検出サービスの提供開始~海洋監視や海洋物流に貢献~

2019年10月11日

 スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下スカパーJSAT)とスカパーJSATの子会社である株式会社衛星ネットワーク(本社:東京都港区、代表取締役社長:松本 崇良、以下 SNET)は、低軌道衛星画像を用いた『高頻度船舶検出サービス』の提供を2019年11月より開始いたします。

(SNET高頻度船舶検出サービスポータルイメージ)

 

 『高頻度船舶検出サービス』は、Planet Labs, Inc.(本社:米国サンフランシスコ、以下Planet社)の低軌道衛星Doveコンステレーション(衛星群)が撮影する全地球の画像と、AI技術及び画認識技術により実現しました。SNETはPlanet社と戦略的パートナーシップを締結しており※1、2016年からDove衛星群 (地上分解能3m)、2018年からSkySat衛星群(地上分解能72cm)が撮影する画像提供サービスを日本で提供し、ともに売上を大きく伸ばしています。2019年11月より提供予定の『高頻度船舶検出サービス』は、世界最多のDove衛星群(2019年10月現在130機以上)が撮影する地上分解能約3mの全世界画像と、AI技術・画像認識技術を利用した自動船舶検出機能、そしてこれらに船舶から発信されるAIS(船舶自動識別装置)情報※2を組み合わせることにより、世界で初めて、高頻度の船舶動静把握ができるシステムとして、提供に至りました。
 なお、ファーストユーザーとして、本年11月から、日本の政府機関向けへの提供が決定しております。

 

 ■本サービスの特徴

  • 超小型衛星Doveの撮影画像から、船舶情報(位置・サイズ・時刻・船種)をAIが検出。ほぼデイリーに指定領域における船舶の検出が可能となり、船舶の運航管理・物流管理が効率的に。
  • 撮影画像と撮影日時に対応したAIS情報と重ね合わせることにより、高頻度の船舶動静把握が可能。
  • ユーザーが簡単に操作できるグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)※3により、期間、領域、隻数、船舶サイズ、船種 等を一目で把握。
  • 今後、合成開口レーダー衛星※4や電波観測衛星※5等から得る様々なデータと重ね合わせて、さらに精度の高いサービス提供が可能となる拡張性の高いシステムに進化する計画。

 

 今後は以下のようなニーズにも対応し、顧客開拓を進めてまいります。

  • 海運セキュリティ
  • 「船舶運航」船舶の運航管理
  • 「海洋事故対策」遭難船の特定=救命救助支援、保険会社向け情報提供
  • 「海洋セキュリティ」密輸、密航、密漁、海賊対策
  • 「EEZ監視」無人離島の要注意船・外国船の監視、不審船の検出など情報収集 等

 

 スカパーJSATグループは、海洋に留まらず、今後は陸上(建物、道路等)でもAIを活用した同様の手法による高頻度観測サービスを展開し、不動産、経済指標の確認等の幅広いサービス展開を行ってまいります。また、衛星から送られてくる様々な情報とAI技術との融合による新たな付加価値サービスを提供し、今後も全地球常時モニターリングという新たな市場を切り拓いてまいります。

 

※1:2019年2月26日付けプレスリリース:「高頻度地球観測衛星オペレータPlanet Labs Inc.との戦略的パートナーシップ契約締結と出資について」https://www.snet.co.jp/topics/2019/196/

 ※2:AIS情報:
AIS情報とは、“Automatic Identification System”という船舶自動識別装置から発信する自船の識別符号、船名、位置、針路、船速、行き先などの情報。衝突防止等海洋安全の観点から、洋上を航行する船舶同士がこれら航行情報を相互し、またSOLAS条約(海上人命安全条約)によって定められる対象船舶への搭載が義務化されています。目的は、(1)船舶を識別すること、(2)目標物の追跡を支援すること、(3)航海情報の交換を容易にすること、(4)衝突防止に役立つ情報を提供すること、(5)無線電話による船舶通報を減らすことです。このため、AIS装置は常に電源をオンにしておく必要があり、停船中であっても、自船の船舶情報を発信し続けることで、どこから眺めても当該船の居場所がクリアにわかるシステムになっています。

 ※3:グラフィカルユーザーインターフェイス:
プログラミング言語を用いることなくコンピューターの操作の対象が絵(アイコン)で表現されるユーザーインターフェースのことで、マウスなどのポインティング・デバイスを使用して直感的にコンピューターを操作できます。 

※4:合成開口レーダー衛星:
合成開口レーダー衛星とは、合成開口レーダーセンサーを搭載した衛星のこと。軌道を移動中、センサから電磁波(マイクロ波)を発射し、地表で跳ね返ってきた信号を分析して観測する。電波は雲を通過するため、雲がある地域でも、昼夜関係なく地表を観測することができます。
合成開口レーダーとはレーダーの一種で、航空機や人工衛星に搭載し、移動させることによって仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)として働くレーダー。一般的にレーダーは、通常マイクロ波もしくはミリ波と呼ばれる電磁波を対象物に照射し、反射して返ってきた信号を分析して対象物を観測する。マイクロ波は可視光などに比べて波長が長いため、マイクロ波をつかうレーダーは同じ直径の光学レンズの10万分の1程度と分解能が非常に低い。光学レンズ並に分解能を向上するにはアンテナの直径を極めて大きくする必要があり物理的に困難で、これを解消するために合成開口レーダーが開発されました。

※5:電波観測衛星:
地上から発信される各種電磁波を捉え、その位置や電波強度を分析することにより目標物を識別する為に開発された衛星です。
SNETは、地球上から発信される各種電波の受信時刻・受信周波数など検知されたデータから電波発射体の位置を特定するサービス「HawkEye360」を提供しています。
2018年7月31日付けプレスリリース:「世界初となる商用電波観測衛星を用いた陸海空の地理空間情報提供サービスに参入」https://www.snet.co.jp/topics/2019/196/

以上

 

(別紙)サービスの一覧表

サービス名

サービス開始

特徴

ユーザーシーン

PLANET衛星画像
サービス:Planet Scope (Dove)

2016年8月

【常時撮影用衛星】
・世界最多(常時130機を維持)の小型衛星群Doveにより、全地球を概ね1日に1回撮影する。
・地上分解能約3m(概ね10m以上の対象物が識別可)の衛星画像データサービス。
・デイリー画像の他過去10億枚以上の画像のアーカイブデータを提供。

毎日撮影される衛星画像の解析により
・農作物の生育状況を監視し、施肥・収穫時期を特定し、大規模スマートアグリの実現に貢献。
・地震・噴火・洪水等広域災害のリアルタイム監視。
・日本周辺の状況を監視し安全保障に貢献。

PLANET衛星画像
サービス:SkySat

2018年7月

 【新規撮影用衛星】
・1m以下の解像度では世界最多の小型高分解能衛星群(15機)によるサービス
・地上分解能72cm(概ね3m以上の対象物が識別可)の高頻度高解像度衛星画像撮影サービス。
・過去のアーカイブ画像も提供。

・上記ユーザーシーンにおいて、さらに高解像画像データが必要となるニーズに応える。
例えば災害場所の状況をさらに詳しく見たい場合など。

(NEW)
高頻度船舶検出サービス

2019年11月

 【常時撮影用衛星】
・世界最多(常時130機を維持)の小型衛星群Doveにより、全地球を概ね1日に1回撮影する
・撮影画像から船舶を自動検出し、対象地域の船舶動静情報を把握。
・船舶から発信されるAIS(船舶自動識別装置)情報を組み合わせ、より詳細な船舶追尾等のモニターリングサービスを実現。

海洋や港湾を毎日モニターリングすることが可能なため
・船舶の運航管理・物流管理の効率化
・高頻度の船舶動静把握
・密輸・密航、密漁、不審船の特定
・取り締まりによる海洋の安全性向上に貢献

詳しくは、https://www.snet.co.jp/planet/をご覧ください。