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ニュースリリース

当社連結子会社の公的資金の不適切な受給等に関するお知らせ

2020年03月19日

 株式会社スカパーJSATホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:米倉英一、以下「スカパーJSAT」)は、連結子会社である株式会社エンルート(本社:埼玉県朝霞市、代表取締役社長:江口覚郎、以下「エンルート」)において、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)からの助成事業案件・委託事業案件のうちの一部の案件について、助成金・委託費の一部を不適切に受給していた事実等(以下「本件」)が判明いたしましたのでお知らせいたします。
 本件により、関係各位に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを真摯に反省し、深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止に向けてグループ一丸となって取り組んでまいります。

 

1. 経緯
 エンルートにおいて、NEDOからの助成事業案件に係る助成金の受給に関する適正性に疑義等が生じたことを受け、スカパーJSATは、同案件に関する事案の徹底解明と原因究明の調査を進めるとともに、エンルートがこれまでにNEDOを含む公的機関から公的資金を受給して実施したその他の案件についても必要な調査を進めてまいりました。
 このうち、NEDOから助成金・委託費を直接受給して実施した8件の助成事業案件・委託事業案件については、NEDOへ報告し、その調査にも全面的に協力してまいりました。その結果、エンルートにおいて、NEDOから助成金・委託費を直接受給して実施した8案件のうち2016年度から2018年度における4案件(以下「対象案件」)について、NEDOから助成金・委託費の一部を不適切に受給していたことが判明いたしました。
 なお、対象案件のうち課題設定型産業技術開発費助成金交付決定通知(事業番号:17100414-0)に基づいて実施した助成事業案件(以下「消防案件」)につきましては、対象案件のその他の3案件(以下「その他案件」)と異なり、継続中の案件であったことから、エンルートからNEDOに対し既に当該助成事業の廃止を申請いたしました。


2.判明した事実
(1)労務費の受給に関して
 各対象案件において、従事日誌に記載された内容の一部に従業員の勤務実態と異なる記載があり、助成金・委託費の受給対象案件に関する労務費として本来計上するべきでない費用が少なからず計上されていたことが判明いたしました。
 このほか、NEDOから労務費を受給する際に遵守すべき手続の違反も判明いたしました。

(2)外注費等の受給に関して
 各対象案件において、対象案件以外の外注費等であるにもかかわらず、当該対象案件の外注費等として計上されていたことが判明いたしました。
 このほか、外注費等を計上する際に遵守すべき社内規程の違反も判明いたしました。

(3)その他
 上記のほか、調査の過程において、消防案件に関して2019年3月6日付で公表されたプレスリリース「世界初、火災現場への侵入と近距離空撮が可能な300℃耐火型ドローンを開発‐4月にサンプルモニタリングを開始し、『消防士の空飛ぶチームメイト』を目指す‐」について、当時の実証実験では性能面の確認・検証が十分ではなかったことが判明いたしました。


3.不適切な受給等の原因
 エンルートでは、社内手続として工程管理表や物品購入管理規程等を導入するなどの体制を整えておりましたが、経営体制が脆弱であり、また、エンルート役職員の助成金・委託費の運用の適正性等に対する意識が希薄であり、管理者によるチェック機能も有効ではなかったため、かかる統制の体制が実効的に運用されておりませんでした。


4.NEDOによる処分
 その他案件に係るNEDOによる処分の概要につきましては、本日NEDOから公表された内容のとおりであり、その他案件については、合計約0.4億円の交付決定の一部取消しを受けております。また、消防案件の廃止に伴う全部取消しにつきましては、1.8億円の返還請求を受けております。
 スカパーJSATグループといたしましては、かかる処分を真摯に受け止め、適切な対応をしてまいります。


5.再発防止策について

 スカパーJSATは、上記原因等を踏まえ、公的資金受給案件の適切な対応を確実に行うための規程の整備や運用体制の構築といった改革が必要であるとの認識の下、ガバナンスの強化、コンプライアンス意識の醸成・浸透を図るべく、以下に掲げる再発防止策を速やかに、かつ、着実に実行してまいります。

 (1) ガバナンス及び統制手続の強化
 エンルートの経営体制の強化のため、2020年2月5日付でエンルートの代表取締役社長を交代いたしました。また、本件の原因を踏まえ、その他の役員人事を4月1日付で行い、エンルートの経営体制を刷新いたします。
 また、連結子会社の公的資金受給案件について、スカパーJSAT内の経営会議での審議を必須としたほか、エンルートにおいては、公的資金受給案件における社内規程や決裁ルールを整備する等の統制強化を図り、その運用についても徹底してまいります。
 なお、連結子会社が情報開示を行うにあたっては、スカパーJSAT内の情報開示委員会においてその内容の確認を徹底いたします。

 (2) コンプライアンスの強化
 エンルートの全役職員に対して「公的資金受給等に係る適切な運用」に関する研修を早急に実施いたします。また、スカパーJSATグループで実施しているコンプライアンス研修に「補助金等公的資金の受給」に係るプログラムを採用し、意識改革を図るとともに規程やルール等の運用を徹底いたします。

 (3) グループ内部監査
 スカパーJSAT内部監査部が実施しているグループ会社の監査において、補助金等公的資金の受給案件を監査の重点項目に位置づけ、取引実態も含め、十分な監査を実施し、取引の適切性・適法性に関する監査機能を強化いたします。また、本件における再発防止策(規程・ルール等)の遵守状況を運用面も含め、継続してフォローいたします。

 (4) 役職員の処分
 本件に関与した役職員につきましては、適正な手続を経て、厳正な処分を行いました。


6.業績への影響

 対象案件にかかる返還金等約2.2億円は、2020年3月期決算において費用処理する予定ですが、スカパーJSATの当期連結業績に与える影響は軽微であります。
 なお、過年度決算の修正はございません。

 

以 上