ニュースリリース
電力自給型コンテナ等によるオンライン遠隔診療の実証を衛星通信で支援
~大規模地震時医療活動訓練in館山~
2024年10月03日
スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下スカパーJSAT)は、2024年9月28日に千葉県館山市において実施された、首都直下地震による停電や地上回線の断絶を想定した、衛星通信機能付きオフグリッド(電力自給型)診療コンテナ等と衛星回線を活用した医療活動の実証訓練に、下記の大学・企業と協力して参加いたしました。この実証訓練は、内閣府が主催する「大規模地震時医療活動訓練」にあわせて行われました。なお、衛星通信機能(ExBird(エックスバード)※1等)付きオフグリッド診療コンテナ等の実証訓練は国内初となります。
【実証実験の様子】
(左:衛星通信機能付きオフグリッドコンテナ 右:衛星通信機能付きオフグリッドトレーラーハウス)
今年の能登半島地震では、電柱の倒壊や光ケーブルの切断等により停電や地上系通信の断絶が多発しました。今回の首都直下地震を想定した訓練では、千葉県館山市の「道の駅」に衛星通信機能付きオフグリッド(電力自給型)診療コンテナおよび診療トレーラーハウスを設置し、その有効性を検証しました。コンテナは、平常時にはオンライン会議を可能とするワーケーションのオフィスとして「道の駅」のサービス向上に、トレーラーハウスは過疎地域の巡回診療に活用することを想定しており、いずれも災害時には初動医療体制の拠点として機能することが期待されます。
スカパーJSATは、これまで2015年から毎年「大規模地震時医療活動訓練」の実働訓練に参加※2しており、スカパーJSATの衛星通信サービス「ExBird」などを提供、DMAT隊員がこのネットワーク環境を利用して訓練に臨んだ実績があります。今回の実証でも、DMAT隊員に加え、千葉大学医学部救急サークル(C-TAT)の学生も参加し、医療現場における衛星通信機能付きオフグリッド診療コンテナ等の有用性を確認いただきました。
また、今年の能登半島地震の被災地においても、携帯電話を含む各種通信網の復旧にスカパーJSATの衛星通信回線をご活用いただくなど、衛星通信の特性を活かした災害時の迅速な通信回線の提供に積極的に取り組んでおります。
引き続き、病院・医療機関の皆様、本実証にご協力いただいた関係各社と共に、いつ起きてもおかしくない地震などの災害に備え、今後も災害医療に貢献してまいります。
記
■概要
・日時: 2024年9月28日(土) 11:00~11:30
・会場: 道の駅「グリーンファーム館山」駐車場(館山市稲274)
https://greenfarm-tateyama.com/
■協力企業等一覧
・千葉大学災害治療学研究所
・館山市
・奈良先端科学技術大学院大学(検証データ取得分析)
・スカパーJSAT株式会社(衛星通信回線)
・株式会社トレーラーハウスフロンティア・FYC
・KTX 株式会社(トレーラーハウスの企画・提供)
・株式会社ファイン(オフグリッドコンテナ)
・株式会社アイカン技研(風力発電システム)
・株式会社SHOTEC(コンテナの設計・製造)
・スカイネットワーク株式会社(通信ネットワーク構築)
・株式会社ファーストパーソン(通信ネットワーク構築)
・アラクサラネットワークス株式会社(通信ネットワーク構築)
・株式会社モバイル・プランニング(通信ネットワーク構築)
・株式会社日ノ出化工(雨水濾過浄水システム)
・千葉大学医学部救急サークルC-TAT(訓練サポート)
・株式会社正文社(訓練記録)
■実証シナリオ
1.オフグリッド診療トレーラーハウスの実証訓練
傷病者役を救急隊員が搬入
① マイナポータルへのアクセス(処方薬等を確認)
② 広域災害救急医療情報システム(EMIS)へのアクセス
③ 衛星回線によるオンライン遠隔診療(スターリンク)
2.オフグリッド診療コンテナの実証訓練
衛星回線によるオンライン遠隔診療(スカパーJSATの静止衛星回線)
■実証結果
いずれの実証訓練も、衛星通信回線を利用した各種システムへのアクセス、およびそれを活用した実証シナリオに基づく遠隔診療が可能なことを確認いたしました。この仕組みを活用することにより、災害時における初動医療体制の拠点として有用であることが実証できました。
※1ExBirdサービス:衛星通信の特長である「耐災害性」、「広域性」を活かした通信ネットワークサービス。容易かつスピーディに衛星通信を導入することができる。
ExBirdサービスサイト:https://www.skyperfectjsat.space/jsat/service/exbird/
※22015年:~平成 27 年度政府総合防災訓練における大規模地震時医療活動訓練~スカパーJSAT 株式会社が衛星通信サービスを訓練に提供
2019年:災害支援に衛星IoT利用首都直下地震想定「大規模地震時医療活動訓練」でDMAT隊員の活動を支援 | (skyperfectjsat.space)
以上