HOME

ニュースリリース

スカパーJSATとQPS研究所 小型衛星運用業務に係る協業を開始
〜衛星コンステレーション運用に向けて本格始動〜

2023年07月18日

 スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下スカパーJSAT)と株式会社QPS研究所(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長 CEO:大西 俊輔、以下QPS研究所)は、QPS研究所が開発する小型SAR※1衛星の運用業務について協業を開始する契約を締結いたします。30年以上の衛星運用実績のあるスカパーJSATがQPS研究所の小型SAR衛星の運用業務を担い協業することにより、日本企業発の衛星コンステレーション※2の早期実現を目指します。
 地球上の広範囲を周期的かつ自動的に観測可能な小型衛星コンステレーションの構築は、防災、環境、安全保障などの分野で活用が期待されており、持続可能な社会づくりにおいても重要な役割を果たすとされ、政府による民間支援の取り組みも加速しています。また、QPS研究所は、早期のコンステレーション構築に向け、積極的な衛星打上げを計画しています。
 世界トップレベルの小型 SAR衛星の開発・運用を行うQPS研究所は、平均10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービス提供を目指し、36機の小型SAR衛星コンステレーションの構築を進めています。直近では2023年6月13日(日本時間)にスペースX社のファルコン9ロケットによって、コンステレーションを成す最初の小型SAR衛星となるQPS-SAR6号機「アマテル-Ⅲ」を打上げ、同日に初交信に成功。1ヶ月後の7月13日(木)に初画像を公開し、順調に衛星の初期運用を進めています。

  • 図:スカパーJSAT横浜衛星管制センター内の管制室の様子

 スカパーJSATは、1989年に日本初の民間による通信衛星を打ち上げて以来、「宇宙実業社」として様々なビジネスを牽引してまいりました。衛星の運用業務においては、自らが保有する衛星だけでなく受託衛星の運用も含め、累積30機以上の衛星を安定運用してきた経験を有しており、その運用実績と信頼性は高く評価されております。

 今回の協業によりQPS研究所は、これまで同社で担ってきた衛星運用業務を、長年24時間365日体制で稼働してきたスカパーJSATの衛星管制局へ委託することで、より効率的かつ信頼性の高い衛星運用を実現することができます。また、人的コストや実績が重視される運用業務をスカパーJSATがサポートすることで、QPS研究所は、高性能な小型衛星の更なる開発・設計・製造、及びデータサービスの拡充と提供に注力することが可能となります。そして、スカパーJSATとしても本協業は、今後も多数の打ち上げと拡大が予測される低軌道衛星ビジネスにおける衛星運用受託サービスの契機となります。

 スカパーJSATとQPS研究所は、2021年12月の業務提携開始以降、主に事業面での様々な連携を進めてまいりましたが、技術・運用面での連携についてもさらに強化をすべく協議を重ね、その結果今回の衛星運用業務の受委託が実現しました。スカパーJSATが築いた衛星管制および運用体制による実績は、高い専門性と豊富なノウハウを蓄積し続けるチームの育成と継承のあらわれ、かつ、他社に類を見ないレガシーであり、本協業はQPS研究所が目指す「準リアルタイム観測データ提供サービス」の実現に向け、確実、かつ大きな推進力を生み出します。両社は今後もパートナーシップを益々強化し、互いのシナジーを最大化すべく連携を深めるとともに、小型SAR衛星コンステレーションを活用した事業への取り組みを推進し、宇宙事業のさらなる発展を目指します。

(※1) SAR (合成開口レーダー):電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測 することができる点が特長です。
(※2)複数の人工衛星によって、高頻度な地球観測を可能とするシステム。(コンステレーションは「星座」の意。)

■各社コメント

スカパーJSAT 宇宙事業部門 宇宙技術本部 衛星運用部長 長井 広明
「QPS研究所が推進するSAR衛星による地球観測データは、災害時の状況把握や重要インフラのモニタリングをはじめ、様々な場面での活用が期待されるサービスです。準リアルタイムでデータを取得するためには、コンステレーション構築が不可欠です。30年以上に亘り24時間365日の効率的、かつ信頼性の高い、安定した衛星管制を行ってきたスカパーJSATの衛星運用が、このコンステレーションの構築、維持、更には拡張に大きく貢献出来ると確信しています。」

QPS研究所 開発部 担当部長 深井 祐介
「これまでQPS研究所では、開発エンジニアが衛星運用も担当していましたが、衛星コンステレーションによるサービスを高いレベルで維持するためには24時間体制を含めた安定した衛星運用が不可欠です。多数の衛星運用の実績があるスカパーJSAT様との協業は、両者の得意分野をそれぞれ伸ばしあうことができると考え、これまで実現に向けて準備を進めてまいりました。このたびQPS-SAR6号機の初画像取得に続いて協業を発表することができ大変嬉しく思います。QPS研究所はこれまで以上に成長できると確信するとともに、尽力くださったスカパーJSAT様に改めて心より感謝申し上げます。」

■各社概要

スカパーJSAT株式会社
本社     :東京都港区赤坂1-8-1
代表者   :代表取締役 執行役員社長 米倉英一
設立    :1994年11月10日
事業内容 :宇宙事業、メディア事業
ホームページ :https://www.skyperfectjsat.space/

株式会社QPS研究所
本社     :福岡市中央区天神1-15-35 レンゴー福岡天神ビル6階
代表者   :代表取締役社長 CEO 大西俊輔
設立     :2005年6月
事業内容 :人工衛星、人工衛星搭載機器、精密機器、電子機器並びにソフトウエアの研究開発、設計、製造、販売
ホームページ:https://i-qps.net/
QPS研究所が発表する一連のニュースは以下のサイトにてご確認いただけます
https://i-qps.net/news/news/

■関連プレスリリース

スカパーJSATと株式会社QPS研究所 小型SAR衛星コンステレーションを活用した 事業の拡大に向け業務提携 | スカパーJSAT | スカパーJSATグループ (skyperfectjsat.space)

株式会社QPS研究所による 追加資金調達ラウンドへの参画 | スカパーJSAT | スカパーJSATグループ (skyperfectjsat.space) 

以上