HOME

  • ニュースリリース
  • スカパーJSAT
  • 宇宙事業
  • スカパーＪＳＡＴ、いつでも、どこでもつながる、革新的な非地上系ネットワーク「Universal NTN」の事業化に向け本格始動 ～異なる高度の通信インフラを融合し、『圏外のない社会』を目指して～

ニュースリリース

スカパーＪＳＡＴ、いつでも、どこでもつながる、
革新的な非地上系ネットワーク「Universal NTN」の事業化に向け本格始動
～異なる高度の通信インフラを融合し、『圏外のない社会』を目指して～

2024年11月18日

スカパーＪＳＡＴ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役　執行役員社長：米倉 英一、以下「スカパーＪＳＡＴ」）は、2021年から、いつでも、どこでもつながる、革新的な非地上系ネットワーク「Universal NTN」（NTN*1：Non-Terrestrial Network）の実現を目指した取り組みを行ってきました。この度、2024年11月から実用化に向けた技術試験を開始し、事業化への活動を本格始動いたします。

「Universal NTN」は、赤道上空約36,000kmの静止軌道(GEO)衛星*2、より地球に近い非静止軌道（non-GEO）衛星*3、高度20kmの成層圏を無人で飛行する高高度プラットフォーム（HAPS）*4など、非地上系の通信インフラを組み合わせた多層的なネットワークです。これにより、海洋や山岳地帯といった地上系ネットワークではカバーが難しいエリアや、自然災害時においても、確実な通信手段として活用することができます。また、AIやIoT技術が融合する未来社会において、多様な通信ニーズを持つユーザーが、時間や場所を問わず、適切な容量・速度で通信できる『圏外のない社会』の到来が期待されます。

  • 「Universal NTN」イメージ図

スカパーＪＳＡＴは、17機の静止衛星を保有するアジア最大の衛星通信事業者として、世界で積極的に検討されているNTNの構築・実現に貢献するため、2022年4月に、携帯電話など移動体の通信規格・技術仕様を策定するプロジェクトである3GPP*5へ正式参画しました。標準化会合では、非地上系ネットワークと地上系ネットワークのシームレスな連携、NTNのマルチオービット・マルチオペレータに関するユースケースや要求条件について、また、スカパーＪＳＡＴが商用利用しているKuバンド*6と呼ばれる周波数帯を5G NTN対応バンドとする取り組みなど、「Universal NTN」のコンセプト実現にも寄与する積極的な提案を行っています。さらに、これらの技術の実用化を目指し、11月から試験を開始する計画です。

  • 「Universal NTN」ユースケース例のイメージ

  • 「Universal NTN」の実現に向けたこれまでの取り組み

「Universal NTN」は、産官学の多様なパートナーと連携し、オープンイノベーションを通じてビジョンと技術を共有・共創することで初めて実現可能となります。スカパーＪＳＡＴは、『圏外のない社会』の実現に向け、活動の進捗について随時情報を発信していくとともに、国内外のパートナーとの環境づくりや、実現性の確認に向けた試験に積極的に取り組み、「Universal NTN」の事業を着実に推進していきます。

*1 NTN: 非地上系ネットワーク、Non-Terrestrial Networkの略。衛星、HAPSなどの多様な通信プラットフォームを介して、地上に限定せず、海、空、宇宙などの異なる空間を多層的につなぐシステム。

*2 静止軌道（GEO/Geostationary Earth Orbit）衛星: 地球の赤道上空約36,000kmの静止軌道上で運用する人工衛星。静止軌道衛星は、地球の自転と同じ速さで地球を周回するため、地上からは静止しているように見え、常に同じエリアをカバーできる。

*3 非静止軌道（non-GEO/non-Geostationary Earth Orbit）衛星: 低軌道(LEO: Low Earth Orbit)や中軌道(MEO: Middle Earth Orbit)など、主に静止軌道よりも低い高度の軌道上を周回する人工衛星。

*4 高高度プラットフォーム（HAPS）: High Altitude Platform Station、地上から約20km上空の成層圏で運用し、地上へ通信・観測サービスの提供を行う無人飛行機体。

*5 3GPP: 3rd Generation Partnership Projectの略。第3世代（3G）以降の移動体通信システムの標準規格の仕様の検討や調整を行う各国標準化機関によるプロジェクト。

*6 Kuバンド: 衛星通信などで使われる12-14GHz帯の周波数。

以上

参考情報
■関連リンク

  • 2022年1月17日リリース：「エアバス、ＮＴＴ、ドコモ、スカパーＪＳＡＴの4社がHAPSの早期実用化に向けた研究開発などの推進を検討する覚書を締結　～衛星とHAPSを組み合わせた大規模ネットワーク構想の実現をめざす～」
    https://www.skyperfectjsat.space/news/detail/4hapshaps.html