「三本柱+新規領域」で、
収益基盤を多層化する
取締役
執行役員常務
メディア事業部門長
中川 大介

市場環境の変化を踏まえ、当社は「顧客数の最大化」から「顧客価値の最大化」へと戦略をシフトしています。「スカパー!メンバーズポイント」のキャンペーンや特典の充実、レコメンド機能の高度化などにより、ご契約中のお客さまとのエンゲージメントを高め、契約継続率の向上および顧客一人当たりの平均収益(ARPU)の向上を図ります。これにより、収益基盤の安定化と事業価値の向上を目指してまいります。また、市場環境や顧客行動の変化に応じてオペレーションを継続的に見直し、提供価値とコストの最適なバランスを追求することで、顧客価値向上と効率的な事業運営を両立し、持続的な成長につなげてまいります。

光再送信サービスは堅調に件数を伸ばしているものの、競合事業者との競争は年々激化しており、さらなる契約獲得に向けて顧客獲得効率の向上が求められています。一方、2023年から開始したCATVパススルーサービスは拡大途上にあり、ケーブルテレビ事業者への導入と登録件数の継続的な積み上げが収益貢献の鍵を握ります。それぞれの成長段階に応じた課題に取り組みながら、戦略を推進しています。

メディアソリューション事業は、これまで主に当社の放送・配信を支える役割を担ってきました。しかし、事業環境の変化を踏まえ、長年培ってきた放送インフラや映像制作技術を外部のお客さまにも提供することで、新たな収益の柱として確立し、今後のメディア事業における収益基盤の多様化につなげていきます。本事業は、当社がこれまで培ってきた設備や技術を活用できるため、大規模な追加投資を必要としないことが強みです。既存アセットを活用しながら段階的に外部売上比率を高めていくことで、当社の収益多角化と企業価値向上に資する成長ドライバーと位置づけています。
事業の中核を担うのが、スカパー東京メディアセンターが保有する放送・配信インフラと映像技術です。多数のチャンネルを同時に放送・配信できる設備、スタジオなどの番組制作機能、そして多様な映像ソースを柔軟に分岐・制御できる技術力は、外部市場においても高い競争優位を持つ資産です。これらをB2B・B2B2C領域に開放し、海外コンテンツの配信支援や企業の社内イベント配信など、多様なビジネスニーズに対応するソリューション提供へと展開しています。

メディアソリューション事業は大きく3つの方向性で構成されます。
TMCを映像伝送の結節点(HUB)とし、映像の集約から伝送・配信までをワンストップで提供する取り組みです。当社のインフラと技術を生かし、ワンストップで提供できる強みを軸に、他社とのアライアンスを通じて収益化を加速します。
放送局の送出設備(マスター)を集約・共用化し、効率的な運用を実現する取り組みです。各社地方局において経営効率化に向けたマスター設備の最適化が求められるなか、TMCのアセットの利用を推進しています。
各社放送事業の効率化が求められるなか、今まで培った技術・ノウハウを生かして、他社の放送インフラ運用コストの大幅な削減機会、BCP対応などを提供します。

この事業が対象とする海外市場の売上は、下図のように見込んでいます。こうした市場において、当社はこれまでに培った経験と競争優位に加え、伊藤忠商事グループの国内外にわたる広大なネットワークと販路を活用し、保有するアニメコンテンツIPの価値最大化を目指します。本年、伊藤忠商事グループは㈱スカパー・ピクチャーズの株式保有比率を49%まで引き上げ、完全共同事業化を実行しました。人員強化とチャネル拡大により両者のシナジーがさらに育める体制を整え、新たなスタートを切りました。今後放送・配信を予定する「可哀想に!劇場」では国内地上波放送を皮切りにグローバル配信を計画しているほか、キャラクターIPの認知拡大による商品化ビジネスの成功を狙います。放送事業で磨いてきた経験と、伊藤忠商事グループのグローバルな事業展開力を掛け合わせ、日本発のアニメコンテンツIPを世界規模で収益化する新たなビジネスモデルの確立を推進します。「他では成しえない作品やサービス」を提供し、世界中に感動と熱狂を届ける存在となることを目指していきます。


長内 敦
㈱スカパー・ピクチャーズ
代表取締役社長
会社設立の2024年4月から2年が経ち、当社は2期連続の黒字決算を迎えることができました。当初想定していた事業性、収益拡大の可能性の答え合わせができ、次のステージにむけて事業を拡大させていく局面を迎えております。一方、スタジオの制作費高騰や競合プレーヤーの合従連衡など、環境変化はとどまることを知りません。さらなる成長のためには相対的な強みを育むことが大切だと痛感し、そのためにも伊藤忠商事㈱との連携は非常に重要なものと認識しております。会社設立以降、伊藤忠商事㈱とは両社の強みを生かせるIPの共同開発に日々取り組んでまいりました。その結果生まれたのがキャラクターデザイナー、可哀想に!氏のオフィシャルサイトで紹介している「可哀想に!劇場」です。すでに若年層を中心に人気の「おぱんちゅうさぎ」「んぽちゃむ」をはじめとしたキャラクターをアニメ化し商品展開することで、認知や宣伝効果を高め、さらなるビジネス展開によるマーケット拡大がのぞめます。国内は朝のテレビ番組「ZIP!」と組み、海外は伊藤忠商事㈱のネットワークを最大限に活用していきます。3Dアニメーションにおいては国内最大規模のマーザ・アニメーションプラネット㈱に制作をお願いしました。これは安定的なクオリティの実現とともに、海外に馴染みのある3DCGによる手法のアニメの方がより広がることを期待してのことでした。このように企画から販売まで一気通貫で届ける仕組みを当社アニメコンテンツIPビジネスの強みとして、今後も広げていけるよう活動してまいりたいと思います。
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