宇宙事業
スカパーJSATでは、航空機・船舶向けのインターネット回線や災害時のバックアップ回線など様々な衛星通信サービスを提供しています。衛星通信は社会を支える重要なインフラの役割を担っており、私たちは日々安定的で快適なサービスの実現に向けて様々な取り組みを行っています。これらの取り組みにはお客様に向けたサービス・インフラ設計や提案内容の検討などが含まれますが、当社の取り組みを学会発表として外部報告を行うこともあります。
今回は、電子情報通信学会において「衛星通信研究賞・若手研究奨励賞」および「優秀ポスター発表賞」を受賞した2つの取り組みについて紹介いたします。

①降雨統計に関する評価(宇宙事業部門 宇宙技術本部 通信システム技術部 岩本拓巳)
【受賞論文】
降雨統計モデルに関する学会報告
「10年以上に亘る気象庁1分間降水量データを用いた日本各地の降雨強度CDF※1評価とITU-Rモデル※2評価」
【受賞】
衛星通信研究会 衛星通信研究賞※3および通信ソサエティ 若手研究奨励賞※4
【発表概要】
近年、日本国内ではゲリラ豪雨や線上降水帯等の強い雨をもたらす事象が頻繁に発生しています。
衛星通信では、降雨によって電波が減衰する降雨減衰が生じることから安定的な衛星通信サービスの実現には、降雨減衰の影響を把握するとともに、その対策が必要です。
降雨減衰の影響は、降雨統計モデル※5を活用して推定することができます。気象庁が提供する日本全国150地点以上における直近14年分の降水量データの統計解析を行い、衛星通信への影響や降雨統計の経年変化などについて評価、発表しました。
今回の報告内容や講演に対して、今後のさらなる活躍が期待されるとして、電子情報通信学会の衛星通信研究会により衛星通信研究賞をいただきました。さらに、当該報告は同学会の通信ソサイエティ若手奨励賞として衛星通信研究会により上位1件として推薦され、受賞に至りました。

▲電子情報通信学会 通信ソサエティ 若手研究奨励賞の授賞
②多軌道衛星通信と5Gの統合検討(宇宙事業部門 宇宙技術本部 通信システム技術部 三島貴務(発表)、大内夏子、瀬戸口喜幸)
【受賞ポスター】
「多軌道衛星通信を活用した高信頼5G環境の構築」
【受賞】
第1回HCL研究会 最優秀ポスター発表賞(社会人)※6
【発表概要】
多軌道衛星通信※7と5Gネットワークを組み合わせることで、地上インフラが不十分な場所でも安定した通信が実現できることが期待されます。
静止軌道(GEO)衛星と低軌道(LEO)衛星を利用した通信回線を5Gネットワークのバックホール※8として用いることで高信頼な5G環境を構築しました。この際に、経路制御※9やQoS(Quality of Service)制御※10などの技術を活用して、商用化を見据えたユースケースの有効性評価(通信品質測定)を行った結果をポスター発表しました。加えて、衛星無線アクセス区間の通信仕様として5G NTN※11を活用し、多軌道衛星通信の実現を目指すためのスカパーJSATの取組も合わせて紹介することで、本研究の位置づけや今後の対応方針も示しています。
研究内容,ポスターの出来栄え,説明の分かりやすさ,質疑応答の的確さを総合して第1回HCL研究会 最優秀ポスター発表賞(社会人)を受賞しました。

▲ 電子情報通信学会 第1回HCL研究会 ポスター会場(設営時の様子)

▲【受賞ポスター】 多軌道衛星通信を活用した高信頼5G環境の構築築
※本研究の一部は、NICTが実施する委託研究『Beyond 5Gにおける衛星-地上統合技術の研究開発(採択番号 21901)』の一環として実施されたものです。
岩本による「降雨統計に関する評価」は、衛星通信サービスの安定運用に不可欠な降雨減衰対策に資するものであり、三島による「多軌道衛星通信と5Gの統合検討」では、高信頼な通信環境を提供するための技術的可能性が示されました。
これらの成果を踏まえ、今後も気象状況が衛星通信へ与える影響を注視しながら、安心して利用できる通信インフラの構築を目指すとともに、今後“いつでも、どこでも、あらゆる要望に応える”次世代の非地上系ネットワーク「-Universal NTN™-」の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
■用語解説、詳細
※1 降雨強度CDF (Cumulative Distribution Function)
降雨強度の統計的な特性を表すもの。
※2 ITU-Rモデル
国際連合の専門機関である国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R: International Telecommunication Union - Radiocommunication Sector)により、降雨統計モデルを含む様々な技術勧告が提供されている。
※3 衛星通信研究賞
電子情報通信学会 衛星通信研究会における24年度分の研究会報告が対象。
(歴代受賞論文:https://www.ieice.org/cs/sat/jpn/sat_award.html)
※4 通信ソサエティ 若手研究奨励賞
電子情報通信学会の通信ソサイエティに属する各研究会より推薦された研究会報告が対象。情報通信に関する学術または関連事業に関し、他の手本となる優秀な研究会発表を行った若手講演者に対して表彰されるもの。
※5 降雨統計モデル
降雨減衰や降雨強度の特性を統計的に推定する際に利用されるモデル。
※6 第1回HCL研究会 最優秀ポスター発表賞(社会人)
該当の研究会におけるポスター発表を対象に、投票の上決定される。研究内容・ポスターの出来栄え・説明の分かりやすさ・質疑応答の的確さを総合して、特に優秀であり今後の更なる本研究領域・分野への貢献が期待できると認められたものが表彰される。
※7 多軌道衛星通信
低軌道(LEO)・中軌道(MEO)・静止軌道(GEO)などの複数の軌道上の衛星を組み合わせて通信を行う方式。各軌道の特性を活かつつ高信頼なネットワークを構築することを目的とする。
※8 バックホール
拠点間を結ぶ中継回線。モバイル通信においては、基地局とコアネットワークを接続する通信経路。
※9 経路制御
ある情報を宛先に届けるために、複数あるネットワーク経路の中から最適な経路を選択する仕組み。経路を選択するアルゴリズムや切替の実行を含む制御。
※10 QoS(Quality of Service)制御
定められたネットワーク上の通信品質を保証するために、通信の優先順位や帯域幅などを調整する仕組み。
※11 5G NTN
3GPPにおいて定められた非地上系ネットワークの通信規格。高データレート向けのNR-NTN、低データレート向けのIoT-NTNがある。
■関連リリース
・スカパーJSAT、いつでも、どこでもつながる、 革新的な非地上系ネットワーク「Universal NTN」の事業化に向け本格始動 ~異なる高度の通信インフラを融合し、『圏外のない社会』を目指して~
・スカパーJSAT横浜衛星管制センターに 「Universal NTNイノベーションラボ」を構築 ~非地上系ネットワークと5G技術を活用した試験を開始~ |スカパーJSAT
・スカパーJSATが参画する国際共同研究チーム、 新たな5G 衛星通信を用いた越境実証に世界で初めて成功 ~国際的なモバイル接続の可能性を拡大~ |スカパーJSAT
■関連コラム
・「それぞれの未来ストーリー」 Vol. 7 Universal NTN編 |スカパーJSAT
コラム一覧へ戻る
タグから探す
その他
メディア事業
宇宙事業
サステナビリティ
Disclaimer: The content of this page is automatically translated by AI Schliemann provided by Storm Corporation. Since the AI translation system does not guarantee on 100% correctness, please refer to the original Japanese text for accurate information.