スカパーJSAT

スカパーJSAT、小型SAR衛星による地表変動解析の 観測機会を特定する新システムを開発 - 世界初、観測機会最適化システムにより、有効データ取得率が約12倍に向上 - 

2026年4月24日

  • 宇宙事業

 スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下、スカパーJSAT)は、小型SAR(合成開口レーダー)衛星コンステレーションを活用し、微小な地表の変化を高精度に捉える「干渉SAR解析(以下、InSAR解析)」を行う上で不可欠となる観測機会を特定する「観測機会最適化システム」(特許出願中)を、世界で初めて※開発しました。

本システムは、株式会社QPS研究所(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長 CEO 大西 俊輔、以下、QPS研究所)の小型SAR衛星コンステレーションにおける試験利用を経て実用化されたものです。これまで見逃されていた有効な観測機会を的確に捉え、InSAR解析に利用可能なデータ取得率を従来の約12倍に向上させることに成功しました。

 InSAR解析は、異なる時期に取得したSARデータを精密に比較することで、数ミリから数センチ単位の地表変動を捉える技術であり、官公庁や自治体によるインフラ点検、防災・減災対策などへの活用が大いに期待されています。

 しかし、精度の高いInSAR解析を行うためには、衛星の軌道、観測角度、観測位置などの条件が異なる観測間で極めて高い精度で一致していることが求められます。低軌道を周回する小型衛星は、搭載燃料の制約から軌道制御を最小限にとどめる運用が一般的であるため、同一条件での画像取得が困難でした。

 そのため、近年注目を集める小型SAR衛星コンステレーションは、複数機の連携による準リアルタイム観測が可能になるという強みを持つ一方で、InSAR解析に適したデータの取得は、経験則に基づく観測計画や単発的な試行に依存せざるを得ず、安定した解析の実現が大きな壁となっていました。

 スカパーJSATは、SAR衛星の観測頻度が向上しても、回帰軌道を維持するための軌道制御を定常運用に組み込む必要がある従来の手法のままでは、継続的なInSAR解析の実現は難しいと考え、本システムの開発に着手しました。QPS研究所とともに蓄積してきたSAR衛星運用の知見をもとに開発された本システムは、コンステレーションを構成する衛星群の膨大な観測候補の中から、異なる号機の衛星同士であってもアーカイブで画像を参照し、InSAR解析が成立する観測機会を自動的かつ的確に特定するものです。

 これにより、InSAR解析に利用可能な、異なる2時期の観測データの出現率は、システム導入前の1%以下から約12%へと大幅に改善し、有効な観測機会が約12倍に増加しました。QPS研究所の小型SAR衛星コンステレーションにおける実運用においても、短期間で複数回のInSAR解析を実現するなど、確実な成果を積み上げています。

 新システムの開発により、InSAR解析の基となるデータ量を安定的に確保することが可能となり、より信頼性の高い解析結果の提供へとつながります。地球観測衛星の増加に伴い、宇宙利用のさらなる拡大が期待される中、スカパーJSATは引き続き、高付加価値な宇宙データの社会実装と新たな事業展開を推進してまいります。

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