スカパーJSAT

TNFD提言に基づく情報開示

生物多様性の維持・保全への対応方針

スカパーJSATグループは放送・通信インフラの提供を通じて社会に貢献しています。持続可能な事業運営のためには自然環境との関わりを理解し、生物多様性と自然資本の維持・保全のため省資源や気候変動対策など、さまざまな環境負荷の低減への取り組みを進めていくことが重要だと考えています。
2025年よりTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のガイダンスに基づき、LEAPアプローチ※を用いて、TNFD提言に沿った内容で自然関連の依存・影響、リスク・機会を特定・評価を行いました。その結果、現時点で重大なリスクは特定されていませんが、引き続き状況を見つつ、必要に応じた対応を取っていきます。開示も行ってまいります。

※TNFDによって開発された自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク、機会など、自然関連 課題の評価のための分析手法

一般要件

TNFD 提言フレームワークを採用する上で、開示の根拠とした一般要求事項は下表の通りです。

マテリアリティの適用

当社は、サステナビリティの観点から「自然資本が事業活動に与える影響」と「事業活動が自然資本に与える影響」の 2 軸を考慮したダブルマテリアリティの考え方に基づき重要課題を特定しています。

開示範囲

本分析の対象範囲は、当社グループの中核事業会社であるスカパーJSAT株式会社の宇宙事業およびメディア事業を対象としており、直接操業6拠点について評価と開示を行っています。

自然関連課題のある地域

TNFDにおける自然関連の影響を受けやすい要注意地域の定義に沿って、地理的情報を基に生物多様性リスク評価ツールにより対象地域を評価しました。

他のサステナビリティ関連開示との統合

スカパーJSATグループでは、気候変動関連のリスクと機会に関する情報開示フレームワークである TCFD 提言の要求事項に基づいた情報開示を行っています。気候変動と自然資本は互いに密接に影響を及ぼし合う関係であることから、今後はTCFDとTNFDの統合的な管理を行うことも視野に、開示の拡充に努めていきます。

考慮する時間軸

気候関連課題に関するシナリオ分析と整合させ、2030年以降を長期、1年未満を短期、その間を中期と設定し、時間軸を分けて分析を実施しました。

ステークホルダー・エンゲージメント

スカパーJSATグループは、さまざまなステークホルダーと事業を推進しており、持続的な成長のためには、ステークホルダーに配慮し、良好な関係を構築共に社会への価値を創出することが不可欠と考えています。
自然環境と隣接している地域での継続的な拠点運営のための自然保全活動の強化、拠点増設にあたり開発が必要な場合、アセスメント結果に基づいた適切な自然保全活動、そして地域住民との対話などを継続的に推進していきます。

ガバナンス

当社グループは、生物多様性、自然資本の維持・保全に関連するリスク及び機会について、サステナビリティ委員会の事務局である経営企画部を中心に、社内関連部署が連携してリスク及び機会の洗い出し、ならびに評価等の詳細な検討を行っており、その検討結果につきましては、経営管理担当が委員長を務めるサステナビリティ委員会に報告され、同委員会において議論しています。重要事項については、サステナビリティ委員会から取締役会へ諮り、取締役による議論を経て承認を行います。また、重要リスクが発生した場合は、取締役会で取締役の中から任命されたリスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会へも報告され、議論します。

生物多様性の維持・保全に関するガバナンス / リスク管理体制

サステナビリティ推進体制図

戦略

スカパーJSAT(株)の直接操業6拠点※を対象に、当社事業との関係性の深い自然関連リスク・機会をLEAPアプローチに沿って分析しました。
今後も新たな事業展開や社会状況の変化に応じてリスク・機会の検討を行ってまいります。

※スカパー東京メディアセンター、横浜衛星管制センター、茨城ネットワーク管制センター、⼭⼝ネットワーク管制センター、スカパーJSAT豊洲センター、群馬テレポートセンター

自然資本への依存・影響

ENCORE※を用いてスカパーJSAT(株)の宇宙事業・メディア事業における事業活動の自然への依存・影響の特定と評価を行い、ヒートマップを作成しました。その結果、両事業とも自然資本への依存・影響ともに大きなリスクは認められませんでした。

※Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure。TNFDフレームワークで紹介されている依存と影響分析ツール 

ヒートマップ

依存


土壌と土砂の保持

生物防除

洪水緩和

グローバル気候規制

水の供給

気候調整

暴風雨の緩和

水流調整

降雨パターンの調整

宇宙事業

M

N/A

M

L

L

L

M

L

L

メディア事業

L

L

L

L

L

L

L

L

L

影響


土地利用

水利用

淡水生態系の利用

GHG排出

非GHG大気汚染物質の排出

固定廃棄物の排出

妨害
(音、光など)

水質・土壌への汚染物質

宇宙事業

L

L

L

L

L

L

M

N/A

メディア事業

M

L

L

L

L

L

L

L

L

M

H

自然資本に関するリスクの分析

TNFDが推奨する分析ツール※を用いた「生態系の完全性が高い地域」「生物多様性の重要性が高い地域」「物理的な水リスクの高い地域 」に関する分析に加え、各拠点の環境情報・データや運営状況のヒアリングによる実態調査を行い、自然資本に関するリスクを調査しました。
ツールを用いた分析では日本列島全体が生物多様性ホットスポットであることから、いずれの拠点もリスクが高い傾向にあることが示されましたが、事業活動における周辺環境の利用は水や電気の使用、施設建設及び運営と限定的なことから、事業活動における自然資本への依存・影響レベルは低く、現時点で重要リスクと特定されるものはないという結論に至りました。

※「生態系の完全性が高い地域」「生物多様性の重要性が高い地域」の分析はBiodiversity Risk FilterとWater Risk Filter、「物理的な水リスクの高い地域 」の分析にはWater Risk FilterとAqueduct Water Risk Atlasを利用

リスクと機会

リスク分析結果

TNFDリスク分類

評価

重要度

短期

中・長期

物理的リスク

急性

慢性

事業は自然資源への直接的依存が低く、拠点も自然災害などのリスクを受けにくい地域に設置されており、急性リスクは小さい。ただし、洪水や高潮への対応は長期的に検討する

事業は自然資源への直接的依存が低く、環境変化による直接的な影響は限定的である

移行リスク

政策

市場

技術

評判

法的責任

自然環境に関連する政策による影響は限定的であり、拠点設立時の環境アセスメントや、定期的な水質調査などに限られる

自然資本に関連した市場の動きにより、事業価値が大きく損なわれるリスクは低い

自然資本への影響低減を目的とした技術革新による、事業への大規模なリスクは考えにくい

自然資本に関するレピュテーションリスクが発生する可能性は低い

事業やオペレーションで、法的責任が生じうる活動は特定されない

中・長期における急性の物理的リスクの重要度を「中」と判定しましたが、各拠点ではハザードマップに沿った必要な対策を行っています。今後、気候変動により洪水や高潮のリスクが急速に高まった際は追加の対策を検討いたします。

機会分析結果

自然資本の重要性に関する認識が高まる中、様々なステークホルダーへ自然資本リスクの低減につながる製品・サービスを提供することは、当社グループの事業機会につながると考えています。
スカパーJSAT(株)では、衛星通信サービスなどの通信関連事業や、地球観測衛星から得られるデータを提供するスペースインテリジェンス事業などの事業活動を通じて防災や自然環境保全へつながる取り組みを推進し、自然資本と生物多様性の維持・保全に貢献していきます。

<主な取り組み事例>

・災害に強いレジリエントな通信インフラの提供

通信関連事業

・衛星で斜面やインフラの変動をモニタリングできるサービス(LIANA)の提供

LIANAサービスサイト

リスク管理

スカパーJSATグループにおける自然資本関連リスク及び機会を洗い出し、評価するためにサステナビリティ委員会の事務局である経営企画部を中心に、社内関連部署と連携し、自然資本リスク及び機会を識別・評価し、必要に応じて、リスク及び機会におけるそれぞれの項目に対して対応策を検討しています。検討されたリスク及び機会の重要度評価につきましては、サステナビリティ委員会に報告され、議論しています。重要事項については、サステナビリティ委員会から取締役会へ諮り、取締役による議論を経て承認を行います。また、重要リスクが発生した場合は、取締役会で取締役の中から任命されたリスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会へも報告され、議論します。

生物多様性の維持・保全に関するガバナンス/リスク管理体制

指標と目標

当社事業の自然資本への影響・依存は小さいことから、TCFDと同じ気候変動に関する目標・指標を設定し、気候変動の抑制と循環型社会の実現に貢献してまいります。

指標

目標

GHG排出量(Scope 1、2)

2025年度末に達成したScope1、2における
カーボンニュートラルの維持

GHG排出量(Scope 1、2、3)

2050年Scope 1~3のカーボンニュートラル